福音館書店から1965年刊のベストセラー「てぶくろ」です。

お話の内容を知っている方は多いと思いますし、私も、三人の子供に楽しく読み聞かせてきました。
ところが、この絵本がウクライナの古い民話だということはご存じでしたか?
また、決してハッピーな寓話ではないと先日知って、びっくりした次第です。てぶくろの話をご存じない方のために少し書きますと、

雪が降り積もる寒い森の中で、お爺さんが手袋を落としたのを野ネズミが見つけて住みつきました。
そこへカエルが来て、「中に入れて」と頼みます。
ネズミは、「どうぞ」と快く中に招き入れます。
さらに、ウサギ、キツネ、オオカミ、イノシシと、次第に体の大きな動物が訪ねて来て
最後に巨大なクマまでやってきます。

さすがに無理だとネズミは断ったのですが、「いや、どうしても入る」・・・と、
小さな手袋に無理やりクマまで入り、手袋がいっぱいで張り裂けそうになったその時、
落とし主のおじいさんが猟犬を連れて手袋を探しに来て
動物たちは あわててみんな逃げて行ったというお話です。

絵柄はやや暗く、動物たちは民族衣装を着ています
そして、ウクライナと聞いてピンときた方もいらっしゃるかも
そう・・大きな熊はロシアを暗示しているのです。
「てぶくろ」は、子供たちが喜ぶとっても楽しい絵本だと思っていたのですが
てぶくろを国土に、動物たちを民族にたとえて語り継がれてきたお話という側面も、このお話には含まれていたようです。
あったかな手袋にみんなで仲良く入れてよかったね・・・
なんて、侵略された歴史に乏しい島国の日本に住む私は能天気に絵本を楽しんでいたけど

穀倉地帯と呼ばれた豊かな国土を持つウクライナと友好関係でつながっていた国もあれば
豊かな大地を奪いに来る国もある
と言う、歴史の教訓を伝える民話でもあったということでしょうか。
また、無理やりみんなが入って張り裂けそうなほどふくれてしまった手袋は、地球にも置き換えられるなと思いました。
仲良く住めば、冬の寒さをしのげる温かい家になるけど
破れてしまえば、みんな凍え死んでしまいます。
それでは、猟犬を連れて、手袋を取り戻しに来るお爺さんが暗示するのは だれ?
深く考えるほどに、「てぶくろ」はいろいろ考えさせられる寓話かも。
![[もうやだ~(悲しい顔)]](https://blog.seesaa.jp/images_e/143.gif)
いやいやいや
でも、そんなことも伝えながら読むと子供がしょんぼりするので、
幼な子さんには内緒ですね
![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.seesaa.jp/images_e/140.gif)

福音館から出版の「てぶくろ」を写真にとってUPさせてもらいました

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そんな背景があるなんて想像もできないで読んでいました
確かに島国の日本では隣の国が攻めてくるのも容易ではないし
侵略という言葉は知っていても身近に感じることはないですね
日本の昔話にも、元の話が案外えぐいのがいっぱいあるので、知らないが花なのかも
藤並 香衣さん、こんにちは
私もびっくりでした。
土地と土地がつながっているということは、信頼関係なくして安心して暮らせませんね。海外のニュースの見かたが変わるかもです
なるほど、熊はロシア、、、
あっしも、よいこさんの書かれている解説を読んで、そういう含みだったのか、、、
と、納得しやした。
素直に読んでいたけど、そういうのを聞くとなるほどーと思いますね。
昔話は深読みすると、いろんな啓示を含んでいるようで驚きでした。
動物の衣装もそういわれてみたら、なるほどでした。
リュカ さん、こんにちは
名作として結構図書館でも目立つところに置かれている本です
深読みするとこうなのかとびっくりでした
でもこの童話は知りませんでした。
日本の童話は、元ネタは怖いのが多いです。
子供にどう伝えて良いのか悩める絵本ですね
ですよね
カチカチ山なんて相当にえぐいお話で、初めて原本の内容を知ったときには驚きました。
(。・_・。)2kさん、こんにちは
子供に楽しく読みながら、大人の読み手には考えてもらいたいお話なんだなと思いました。
表現は想像を膨らませるツールですね
ラジオ深夜便「明日へのことば」のインタビューを聞き、絵本への愛情の深さを知りました。学校図書館には福音館書店の絵本がたくさん並んでおり、子どもたちもよく読んでいます。
松井直さん存じ上げなくて思わず検索しました
ついこの間亡くなられたというのも知ってびっくりです
子供たちにいろいろ読んだ本に、福音館のものがたくさんあります。
良質な本がたくさん出ていますね